田園都市・まちだ・駅とまちシンポジウム

5月24日、町田市鶴間にある東京女学館大学で行なわれた「田園都市・まちだ・駅とまちシンポジウム」を聞いてきた。
町田市市制50周年・田園都市線町田市乗り入れ40周年記念行事だそうだ。「あなどれません。町田」という名前で記念行事を行なっているらしい。
シンポジウムの冒頭、自治会連合会の会長は「自治会が電鉄と腹を割って話したことがない。マンションを作るときの説明会くらいだった」と話していた。それが「電鉄の中に地域のことをこんなに考えている人がいるとは知らなかった」というように、東急電鉄の地域に向ける目が変わってきたことを指摘していた。
東急電鉄からシンポジウムのパネラーとして参加していた鉄道事業本部運輸営業部の統括部長の発表の中でも、電鉄が「エリアマネジメント」という思考を導入して、地域ごとに目をむけていこうとしていることが表明されていた。実際、目黒線などでは、アートで町おこしというようなことを既に実施しているらしい。
パネラーの一人で田園都市線が伸延されるまえに土地を買い、伸延されてから家を建てて住んでいるという女性の話では、「建築協定」を厳しく定め、新しく住む人たちにも、「この町を選んだ理由が、町並みなら、一緒にそれを守りましょう」という姿勢で臨んでいるらしい。しかし、一方で地域の高齢化を何とかして欲しい、という発現もあった。今の若い人が買えるような値段の家々、土地ではないのだが。その値段を出すなら、他にもたくさんの選択肢がある。都心に近いマンションでも、もう少し狭くても都心に近い一戸建てでも買える。実際、この地域の若返り化は相当難しいのではないだろうかと思う。
帝京平成大学の教授の発表で、地価と地域の区画整理の発表もあった。青葉台新百合ヶ丘を比較して、駅からの距離と地価をグラフにすると、青葉台のほうが緩やかにしか地価が下がらないそうだ。その理由は、行き止まりや狭隘道路のないことだという。実際地図を見ると、青葉台付近のほうが無計画に地域が開発されていることが分かる。田園調布まではいかないが、きちんと区画整理し、道路をつけて開発することが「地価維持」には役立つようだ。