東海道新幹線 レール継ぎ目に損傷

先月15日にJR東海の関連企業による業務研究会の発表会が行なわれた。
その席で「技術継承」について経営トップが挨拶で触れていた。

12月5日、東海道新幹線の熱海―三島駅間の下り線でレールの継ぎ目が割れ、2センチの隙間が出来ていたため、7時40分頃まで不通になる事故があった。これは、ロングレールが気温の急激な降下に耐え切れずに断裂したものだろう。冬季に入るころに起こりがちな事故だ。「始発前点検中の作業員が見つけた」ことになっているが、その前に信号の異常があったから見に行くことになったに違いない。JR東海本体の業務検討発表会では、在来線ながら「自動レール探傷器の開発」というテーマもあがっている(多治見保線区)。
http://news.goo.ne.jp/news/asahi/shakai/20051205/K2005120500770.html

しかし、私はこのレールが割れた事故の裏にも技術・技能継承の問題を感じる。
鉄道会社や電力会社は、「技術・技能継承」といいながら、実体として、自社内にはほとんど技術・技能は存在しない。かつては、鉄道の社員自身が手を使って仕事をしていたが、今はたとえば受電設備であれば機器を納めたメーカーの係員がメンテナンスをし、線路の保守も関連会社に投げ、場合によっては関連会社は更に下請けに投げ、自社と関連企業の中にすら技術・技能は存在しなくなっている。経営トップがいまさら「技術・技能の継承」を言い始めても、この業務の形態が変わらない限り、何も変化しないのではないか。むしろ、関連会社の会合で「技術継承」を話したことの重さを感じる。
レールの継ぎ目が割れても、やるのはその関連企業、そして外注先へ指導をする(圧力をかける)ことくらいしかできないだろうと思う。
同じような(技能不足、理解不足による)事故がまたすぐ起こる、と予測する。