相鉄観光、近畿日本ツーリストへ売却

<事業再編>
 相鉄観光が、近ツーに売られてしまった。

http://www.knt.co.jp/frame.html?P=kouhou/news/04/1126.html

 この事実をどう読めばよいのか?

 鉄道企業が自前で旅行会社を持つのは、「沿線のお客様への質の高い旅行サービスの提供」により沿線価値を向上させることにある。特に観光地を後ろに控える鉄道会社にとっては、観光地への誘客手段として大きな意味を持つ。しかし、今回の相鉄のように、背後に大きな観光地のない場合、お客様の利便性だけを考えると、大手旅行代理店のようなネットワークがない分、十分なサービスを提供できない場合が出てくる。旅行会社が世の中にあまりなく、営業所網も整理されていないころは、それを率先して沿線に提供する価値があったと思うが、今はもうその意義は失われてしまった。
 意義を失った以上、相鉄が旅行事業を手放したり、同様に東急が再生を掛けて外資に売ったとしても、それはそれなりに合理性があったと考えられる。東武がスーパーを売ったのもその一環と考えれば、良くわかる。
<競争と強調?>
 相鉄は、JRへの乗り入れを決めた。背景には自治体からの要望やら、他にもいろんな思惑が交錯しているとは思う、「自力で全ての関連事業を回しリ、独自で動く」ことは辞めたのだろう。
 もし、小田急トラベルが買収していたらどうなっただろうか?
 ロマンスカー横浜駅へ乗り入れることもできたはずだ。横浜市民の多くは、箱根へJRで行こうと考える。しかし、週末にロマンスカー横浜駅に乗り入れていたら、フリーパスが使えたら、どうなるだろう。
 しかし、最近の小田急トラベルは、人員を減らし、アルバイトで対応したりして、立地
メリットを活かした薄利多売でコンサルティング型の接客などは諦めているように見える。参加の旅行会社がそのような経営姿勢では、相鉄観光の買収など夢のまた夢。沿線事業の拡大基調の中にはない。
 小田急電鉄は、相鉄の大株主ですから、事前に売却について話はあったとも思う。

 今後、外部企業が鉄道会社の持つ「もうひとついけていない自社と重なる事業」を買収するような動きは増えると考えられる。考え方としては、「外部の力を活用する」。しかし、JR東のように大きくなければ、ただの「事業の切り売り」になってしまう可能性も否めない。

 次は、どこが事業を切り売りするのだろう?