日常サービスの幅と企業ブランド

その組織の「最も良くできる」のサービスレベルと「できていない」のサービスレベルの幅が広いのか、狭いのか、それも高い位置に集中しているのか、低い位置にあるのか、その幅を「サービスレンジ」と私は呼んでいます。

見るのは、「人」であり、「提供されるサービスの内容」です。
さて、お客様から見たときのその組織のサービスレベルは、何処にあると感じられるかというと、多くの場合お客様が受けたサービスの中で最低のレベルのところをその組織のサービスレベルと感じるのですね(それぞれの横線の位置が、お客さまの認知するサービス)。「あの人はああだけど、普段は違うのよ」とはあまり思われません。それが「真実の瞬間」の「真実」のゆえんではないでしょうか。
大変すばらしい浴室を持つホテルであっても、トイレがなんとなく汚れていたら、満足のいくサービスを提供したことになりません。お客さまの印象はよほどのことがない限り、トイレの方で残ります。
食品スーパーのレジ係のAさんは、がんばっているみたいだけれど、商品を並べていたBさんはなんとなく不潔な感じがするとお客さまが感じると、その不潔な印象が残ります。
この「お客様の感じ方」は、企業グループにも波及します。
グループ内の特定企業のレベルが低いと、グループ全体が低いと感じられてしまうこともあります。「○○グループは、◇◇だから」と、言われるのです。そのために、「グループ広報委員会」を持っているところもあるくらいです。東急電鉄は、「東急ブランドの利用料」を関連各社から取っているくらい、ブランドを大事にしているようです。
西武事件以降、再度、この電鉄ブランドが重要になってくるように思います。