鉄道会社のコンプライアンス2

<現場への周知徹底>
現場の社員には、一日ないしは明け番に半日研修(といっても、一方的な説明)を受けて終わり、と言うものがほとんどだったのではないでしょうか。
西武のように「役職者」に「配布した」と表現するところもあります(集めて説明などはしているないのか?全社員ではなく、役職者だけ?)。

この底辺に流れているのは「上意下達の精神」でしょう。
指示命令系統のはっきりした鉄道企業は、これまで、本社からのお達しだけで現業を動かしてきました。現業の側は、繰り返される各種通達を「(少なくとも形の上は)その通り実行してきた」のです。
しかし、「二年〜四年で変わる本社の部課長は、何かと新しいことをやり、実績を作りたがる。なんかあっても数年の我慢。やりにくいことは、やったように見せ掛けて、やり過ごそう」という意識が現場になかったでしょうか。そのような意識を持たせる非現業のあり方になっていないでしょうか?
担当責任者が変わるたびに変更される方針に振り回される現業最前線の管理者ほどそのような意識に陥っていないでしょうか。

コンプライアンスの思考もその程度の流れの中で収まっているようではどうにもなりません。ましてや、これからは、各グループがグループとして制定しているように、鉄道会社の問題は、グループ全体の問題なのです。旅行会社の問題は、グループの不動産や流通企業の問題もであるのです。最前線の社員の行動が全体に波及するのです。
根っこの企業風土とそれを支えている社員の意識(特に非現業の意識)に手を入れていかない限り、 変わらないのではないでしょうか?