近鉄ステーションサービス、吸収へ3 そこから考える

サービス部門を再統合する近畿日本鉄道。産業界を見渡してみると、似たような事例がある。
メーカーでは、サービス会社を分離した後、再度統合している。たとえば、富士電機HD。ホールディングスを設立するときに、従来のサービス会社であった富士電機システムズに電力部門や複数の工場を組み入れた。メーカーよりもサービス部門のほうが利益が出ていたからだ。
明電舎は2003年に明電エンジニアリングを合併した。
これらの動きは、サービス部門が最終顧客と密着し、その部分から情報やニーズを吸い上げることが出来ることに気づいたからだ。交通新聞が阪急ステーションサービス設立時に、本社とサービス部門が分離されることのデメリットを問いただしていたことが記憶にある。
人材育成、サービスの創造、対顧客戦略、どの側面をとってもサービス部門の分社はネックになる部分が大きいのではないだろうか。労務管理や経費削減だけを目的に一貫したサービス提供を無視するような動きをしてはならないと私は思う。