門司港レトロ2

駅から外に出て一番驚くのは、高層マンション「レトロハイマート」というマンションが建っていることだ。マンションだが、観光用に展望室が設けられ、その地点で103メートルということだから、かなりな高層マンションだ。そこに住む住民の眺望を確保するためだけに、地域の環境価値を恐ろしいほど落としてしまっている事例だろう。私個人の感覚で言えば、京都駅に匹敵する地域の環境価値破壊建造物に思える。
建てるころには、賛否両論があったと聞く。「門司港レトロとの対象を際立たせる次世代を踏まえたデザイン」と門司区役所のHPでは紹介されている。
http://www.city.kitakyushu.jp/~moji/kankou/s_mojiko003.html
法隆寺の隣に同じような建物を建てられるか？金閣寺を見下ろすマンションを建てたいのか？
最近では、広島で原爆ドームを見下ろすようなマンション建設があるという報道もあった。この事例では、デベロッパーは建設を取りやめる考えはないらしい。
やっと、景観を守ろうとする大きな流れもできつつあるように思う。たとえば、東京日本橋の首都高速道路を撤去・移転させるという計画も浮上しつつある。
景観を公共の財産と考える風土がないところでは、同じようなことがまだまだ起こるだろう。