神戸電鉄3

dechidon2006-09-26

脱線事故の後、2006年度安全のために、当初計画より10億円上積みして設備投資を行うことを表明している。設備の老朽化はもちろんのことだが、それ以上に社員の意識の問題も大きい。
鉄道各社はたえず安全管理意識向上の施策を打ってきた。しかし、ここに来て、「従来の方法で安全意識を向上させる」ことに限界が来ているのではないかと感じる。背景には、
・ベテラン社員の大量退職
・採用バランスが崩れたことによる管理者不足
・入社してくる社員の質の低下(高卒での就職率は低下したため。また他の働き口も増え、安定した鉄道会社の魅力だけでは集まりにくい)
・「世代間格差」を言い訳にしたコミュニケーション不足。
・これら様々な要因トータルの結果として「技能伝承」の失敗。(危険に気付くスピードの低下、ものの原理原則を伝えていない、実感していないことによるイメージ力の低下等)
その最たるものが神戸電鉄で出てきた(宝塚線事故もそうだが)。
これを「安全に対する投資を怠ってきた」「設備老朽化を放置した」「経営者の意識が間違っていた」「労使の断絶」などというもので括ってはいけないと思う。もっと構造的なもののはずだ。
未だ、航空・鉄道事故調査委員会の報告書は出ていないが、設備的側面、直接的なものにのみ原因を求めないことを期待したい。
http://araic.assistmicro.co.jp/araic/railway/news.asp