JR旅客各社の年頭訓示3

技術継承については、JR東日本が人材育成とともに触れている。他社では、技術・技能継承という言葉はない。JR各社の技術・技能現場は、外注化により技術・技能は形骸化しているはずだ。電力、石油関連企業では、技能を自社に取り戻すために直営化に進めているところもあるが、JR各社でそのような話は聞かない。おそらく、新人を数年、外注・協力企業に派遣する程度で収めているのではないだろうか。JR東日本で多かった工事のトラブルは、トータルで現場を見ることのできる社員を配置しなかったためだと私は思っている。東日本はそこに気づいたのだと思う。

「サービス」という文字が少ない。JR東日本で「チームワークのサービス」、JR西日本で「信頼される質の高いサービス」という言葉が書かれているだけだ。取材した記者のフィルターもあるのだろう。一言もサービスという言葉を発しなかったとは思わない。しかし、それが重点ではなかったことは確かだろう。
それ以上に、今年の年頭訓示は、「安全」に割かれたということだろう。