神戸高速鉄道、阪神阪急HDへ売却?

dechidon2007-10-22

http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sg/0000699377.shtml
考えてみれば、神戸電鉄筆頭株主阪急電鉄(ただ、お荷物との声もある)、山陽電鉄筆頭株主阪神電鉄だ。結果的に、阪急阪神HDが、大阪以西の近畿圏の民鉄をほぼ手中にしているという実態が浮び上がる。
その中で、阪急、阪神、神戸鉄道、山陽の4社が乗り入れている線路を持っている会社だし、神戸市が第三種鉄道事業者である神戸高速鉄道を阪急阪神HDに売却しようという動きは理解できる。神戸市の持つ40%の株式を売却すれば、阪急阪神HDは、実質的に80%の神戸高速株を握ることになる。
問題は、対顧客に対する効果は出すこと。三ノ宮〜明石間は、JRで380円、約15分。阪神三ノ宮から神戸高速を経由して山陽明石までは、580円、約30分。これでは、勝負はついている。運賃だけでも勝つことができれば、まだやりようもあるが、運賃、所要時間とも負けている状態では、どうにもならない。もっとも、この価格、神戸高速分が150円で山陽電鉄分が430円。山陽電鉄の価格競争力が最大の課題。
翻って、阪急阪神HDが買収して儲かるか?というと疑問符がつく。運賃を下げる圧力はかかるが、山陽電鉄の収益構造に大きな課題があるのでそこを改善しない限り、いくら神戸高速分の価格を下げても、顧客に対するメリットを提示しきれない。儲からない。
ただ、阪急阪神HDが手を出さないとすると、やる気のあるファンドかJR西日本が相手になる。JR西日本に持っていかれると、地域の覇権は握れない。その意味でも、たとえ統合効果に疑問符がつくとしても、買収せざるを得ないのが現実ではないか。これは、早晩、決着が着くと思う。