女性専用車両

御堂筋線の案内

女性専用車両は関西のほうが先行している。
大阪市交通局では、御堂筋線で平日一両を終日、他も朝の通勤時間帯で導入されている。阪急も京都線で実施している。他、京阪、近鉄、南海、阪神も時間帯を区切るなどして導入されている。
関東圏では、京王電鉄JR東日本埼京線が導入している他は話を聞かない。

http://page.freett.com/vehicle/WOC.html

ネット上で女性専用車両に関するアンケートを検索すると、だいたい6割以上のお客さまが女性専用車両の設置を支持している。女性に限れば、8割を超えるアンケートもあった。

導入の理由は「痴漢・盗撮・酔客による嫌がらせ等の迷惑行為への防止対策」ということになっている。それだけ、そういう行為が行われていたということだろう。
しかし、女性専用車両を導入した結果として、本当にそれらの迷惑行為が減ったか疑問だ。

http://www.mmjp.or.jp/machi/55forWEB/page7.htm

大市交でのデータが紹介されているが、女性専用車両を導入しても余り変わらないらしい。
もともと、賛否両論のある制度だから、成果が出ないと攻められるのではないかと思ったが、その後のアンケートでも賛成者数は多い。
これは、監視カメラの導入と同じような心理ではないかと思う。極めて対症療法的な手法であり、根本的な問題から視点をずらすような役割をしてしまっているが、これしかすぐに打てる対応策を思いつかないのだ。各事業者として打てる手が限られているということもある。費用は車両に貼るシールやホームでの案内看板で済んでしまう。安全・安心のために人を一人置く、というのと比べると、圧倒的に安上がりで、視覚的な効果も高い。
本来は社会全体のモラルの問題なのだが、そこに直接手を付けられるわけもないので、こういう手法に落ち着く。先日報道された某大学運動部がグループで痴漢行為をしていたなど、モラル低下の問題は大きい。「社会のモラル低下」など安易に、自分と関係ないような言い方しかできないが、帰結は間違いなくそこだ。
かつてと比べると制服の威力も落ちている。制服を着た人には従うような雰囲気が昔はもっと強かった。駅員・乗務員に対する暴力が増えているのも同じ理由だと私は思う。