放置自転車

dechidon2004-12-17

都市圏では、駅前の放置自転車が問題になることが多い。
駅にまできて、電車に乗り、帰りにはまた乗って帰るのに「放置」という言葉が適切かどうかということから議論をしなければいけないかもしれない。
しかし、自動車を同様に駅前に「放置」したら、確実に駐車違反になるのと同様、私的な「移動道具」を他人・公共の土地に置いてしまったら、やはり「放置」と言われても仕方がない。
一時、キックボードで通勤するサラリーマンを見かけたこともあったが、さすがに最近は見なくなった。

東京都豊島区などでこの「放置」自転車に対して、「鉄道事業者の責任だから、課税しちゃいます」という税制が可決され、鉄道事業者が反対している問題がある。

http://www.city.toshima.tokyo.jp/reiki/reiki_honbun/al60006671.html

この論理は、「スーパーなら、駐輪場を用意して、お客様の利便を高め、集客して利益を上げている。鉄道事業車も本来なら鉄道利用者に対して駐輪場を用意し利便性を高めて鉄道利用を図るべきで、その駐輪場整備費用・放置自転車撤去費用を自治体が負担するのはおかしい」ということだ。
それに対して鉄道事業者は「鉄道利用者だけが駅前に自転車を置いているわけではない」などとして異を唱えている。

http://www.kyoto-np.co.jp/news/flash/2003dec/05/CN2003120501000344A1Z10.html
http://www.geocities.co.jp/NatureLand/4515/bikejpn/taxtoshima_j.html

現実問題として、駅前放置自転車が車椅子など身障者やベビーカーの通行障害になっていることも多い。それをそのまま置いておくのは、鉄道事業者にとっても自治体や周辺商店街にとっても問題であることは間違いない。

  • 駅と周辺地域の価値、沿線価値そのものに影響する問題として捉えなおす必要がある。乱雑な駅前を持つ沿線が、価値が高いとは思えない。駅にサービス機能として駐輪場があるほうが、駅の価値が高いことは間違いない。近隣商店街も駅の駐輪場に甘んじるのではなく、独自で駐輪場を確保するほうが良いに決まっている。
  • 駅へのアクセスを確保する必要がある。バス便では時間がかかる、高い、それゆえに自転車で通勤する人が多いのではないか?鉄道会社や自治体は、どこに住んでいる人が駅前に自転車を停めているのか知っているのだろうか。駅へ送り迎えの自家用車の多いところは、自転車も多いのではないかと、想像する。交通は意外とマーケティングがなされない分野だと感じている。需要に応じて適切なアクセスを用意すれば、徐々に放置自転車は減っていくのではないだろうか。


博多の取り組みは「チャリエンジェル」。
http://www.chari-angels.com/

興味を持たせる施策としては、ごみ分別問題の仙台「ワケル君」、福井の「ワケルンジャー」などと同様、面白いと思う。
最後は一人一人のモラルの問題、としてしまってはダメかもしれない。モラルを保てるような雰囲気をどう演出するのかを考えなければいけない。きれいなところにゴミを落とさないのと同様、整理された駅前に違法駐輪はしにくい。
駅周辺商店街と駅の共同作業でしか違法駐輪はなくならない。地元商店街が違法駐輪をあおっているようなところは、もう、アウトである。