駅売店のコンビニ化

dechidon2004-12-20

この数年で都市圏の駅売店は大きく様変わりしている。キオスクのコンビニ化が進んでいる。(コンビニ化=顧客が自由に商品を手に取り、レジで決済する形の店舗として)
JR東日本管内では「NEWDAYS」、JR東海管内では「ベルマート」、JR西日本管内では「ハートイン」、小田急では「Odakyu SHOP」、東急では名前は変えずに代官山でコンビニタイプの店を出し、京浜急行も同様に展開している。名古屋市交通局でもかなり以前からコンビニタイプの店舗を展開している。

先行するJR東日本は、ICカードスイカでの決済や駅での受け取りサービスなどあらゆる利便を提供できるようになっている。サービスの質では、他の追随を許さない。
しかし、市中コンビニにあるようなATMはない。
宅配便窓口機能や通販受け取り窓口など市中のコンビニが実施しているようなサービスは次々と実施するに違いない。駅中(エキナカ)という有利な立地を生かして、生活者向けサービスを展開すれば、都市部に置いてはかなりの利便性向上を図ることができるに違いない。

直接的には、商品数が以前の数倍になっている。これも選択肢を増やす意味で利便性向上につながっている。

通常の売店と比べた場合、コンビニ化することによって、販売のマーケティングデータが確実に収集できるメリットもある。これまでの売店では、いつ、どんな人が、何を買っていたのかというデータはないに等しかった。時折、係員がそばにつきっきりで記録しているのを見たことはあるが、その程度で、日々、季節や天候による変動などまったく測定できていない。それがPOSレジさえあれば収集できる。JR東日本が一部の通常型駅売店で、レジをテスト的に実施したことがあったが、結局時間がかかるので、辞めてしまった。従来型の店舗では無理なのである。
コンビニ化することによって、駅構内の売店数が減るということはありえそうだ。一ヶ所に集約されてしまうようなことはあってもおかしくない。

労務管理もこれまでとは変わっていく。コンビニ化により、市中コンビニ同様学生アルバイトも増えた。もう売店のおばちゃんではないのである。

比較的大きな駅でこのコンビニ化は進んでいるように見える。では、中間駅や中小駅では、展開できないのだろうか?
実際、阪急電鉄では、洛西口駅山田駅で駅員が店員を兼ねるコンビニを展開している(写真は、洛西口駅)。
正確には、「阪急レールウェイサービス」に委託された駅だが、品出しから出改札業務、駅の清掃まで、昼間は一人の駅員が行っている。やる気になればできるし、お客様への利便性は高められる。
この手の施策は、必ず安全安定運行とシーソーのように語られ、なかなか導入できない。現実論として、やっているところはあるのだから、「安全のためにできません」ではなく、「できる理由」を捜してやってみるべきだと思う。それが、駅員の生活者視点を育て、サービス向上となって必ず帰ってくる。じっと座っていればよい改札社員など要らないのではないか?

通常駅業務への影響が最小限に押さえられるならば、この動きは続くに違いない。それをお客様も要望している。