鉄道企業の事業再編

dechidon2005-01-07

鉄道会社の事業再編は、関連企業間で重複した業務を整理するところからスタートしているように思えますが、最近は、「選択と集中」の掛け声の下、コアにならない事業を売却する傾向が強く見えます。

http://www.tobu.co.jp/hapyo/pfd/041208_1.pdf
http://www.ir.tokyu.co.jp/files/pdf/in_030327_1.pdf

たとえば、集中関係の関連企業はこれまで、駅前や駅構内、新しく開発した住宅地の中等優位性のある場所に出店することによって収益を上げてきたものと思います。事業用の土地の取得にしても、先行して進めることができました。
サービス業があまり進化していない段階では、開発した沿線に飲食・販売その他あらゆるサービスを展開することが必要でした。サービス業を営む企業・個人は、人口の集積がないと進出をためらう場合もあったと思います。しかし、そこを多少度外視し、儲からない段階から鉄道系企業は進出したのでした。また、そうすることで地域の価値を上げていたのでした。
人口の集積ができた後、あらゆるサービス業が進出し、鉄道系企業がやっていく意味が薄れたものと思います。それよりも、そのサービスを専門に扱う企業の方がサービスレベルが高いというのが実態で、顧客がそちらに流れているのでしょう。
生活者にとっても、割高であったり質が伴わない関連企業より、質もコストも優秀な専業サービス企業の方を選択したいと思っています。趣向に合ったサービス内容とレベルを選択します。
これからの流れは、

  • 「沿線に軸足」を置き、自社沿線を中心とした事業展開に「集中」する
  • 沿線をいくつかのエリアに分け、エリア単位の戦略を打つ
  • 外部のサービス産業との「積極的な提携」を増やす
  • 「競争と強調」の名の元、複数交通企業の連携を増やす

という流れになると思います。
東武鉄道が流通・物流・CATVなどで積極的に「選択と集中」「外部との提携」を行い、さらにはJR東日本との乗り入れまで進めたことはその最たるものではないでしょうか。
いずれは、鉄道関連企業同士の合併もあると思います。たとえば、共同でストアを経営する、物流事業に関しては合同で行うなどです。
エリア単位の戦略は、京阪や近鉄で提唱されています。