現場社員への権限委譲を考える2

様々な現場で行われる良いサービス事例。しかし、同じように感動できるようなサービスを受けることはほとんどありません。現場の人がサービスに無頓着であるとは思えませんが、サービスを進化させられない理由があると思うのです。

<現場にどう導入するのか>
他社・他業種のサービスを活用する際に良く間違うのは、このような「感動を与えるくらいの良い事例」をそのまま自分の職場に持ち込むことです。普通の駅の改札係員やスーパーのお客様窓口が部署を離れるようなことをそのままやると、安全・安定輸送、公平サービスができなくなります。特にこれらの特異なサービスはいつでも受けられるものではなく、下手をするとお客様に対して公平性を欠くことが多くなります。
<権限委譲が最低条件だが>
おそらく、成田空港では、窓口を離れて案内しても大丈夫なだけのバックアップ体制、権限が存在していたに違いありません。ホテルの事例では、現場社員にそれだけの権限が与えられていることが明記されています。
まずは、権限を与えることが重要です。どこまで現場社員を信じてその権限を渡すことができるか、会社の度量が試されます。
しかし、さらに考えるべきは、「どのような権限を与えるか」よりも「そのような権限が与えられていても、使うかどうか?」の方であるように思います。
実際、使える権限があっても、どう評価されるかわからない行為に大胆に手を付けるのは現場社員にとっても怖いものがあります。確実に評価されるなら良いのですが、下手をすると苦情になるかもしれない状態で、通常の役割を超えて手を打つのは覚悟がいることであると思います。
<マネジメントと風土改革が最大の課題>
最終的にはその会社・部門のマネジメントが「惜しい失敗は許す」ようになっているのか、「新しいことをやらせることに接客的」かどうかということにかかってくると思います。新しいことをする人が責められるような風土だと確実に失敗します。