サービス介助士

サービス介助士

 最近、サービス介助士の資格を取る鉄道企業が多くあります。高度高齢化社会を迎え、高齢者をお客様として迎えるサービス業には必須となりつつある資格のようです。
 しかし、現場からこんな声も聞こえてきます。
「資格は取ったが、それを生かす機会はこの半年ない」

 行かす機会がない理由があります。

  • 顧客接点を作ろうとしていない現場体制

 退避中の乗務員が車内から出てこない、乗務直前の乗務員が駅の柱の陰に隠れるようにしていることがあります。駅社員でも改札内から出ようとしない、手を貸せる瞬間に忙しそうにするという光景を何度も見たことがあります。

  • 高齢者や身体に不自由のあるお客様に優しくない「交通網」

 鉄道グループ企業でも、鉄道会社でのサービス介助士資格取得は多くありますが、沿線を走るグループ企業のバス・タクシーはどうなっているでしょうか。沿線にある食品スーパーや百貨店、レジャー施設はどうなのでしょうか。電車の中の広告でそこまで言及しているものは今まで見たことがありません。沿線全体で取り組まなければ、「価値」になりません。

  • 日常に知識を生かせない

 自分の親と同居しており、その親が多少の介助が必要な状態であれば、即、知識を生かすことができますが、そうでもなければ、なかなか日常に生かす機会はありません。ボランティアでそのような施設や地域の団体で活動してる駅員さんを知っていますが、その人は駅でも積極的に声をかけています。上述のような「なんとなく逃げる」ような行為はしません。実践に裏付けられた知識が必要です。
 可能であれば、ボランティアで生かして欲しいですし、それが沿線価値(沿線に住居を構える社員も多いですから)向上に役立つことを前提に、会社としても地域での活動を評価する制度を取り入れることができれば良いのではないでしょうか。