高松琴平電気鉄道を考える1

不動産部門を持たない私鉄
なんと、私鉄経営の要であるはずの不動産部門がない。経営破たんしたために、そこから撤退したのかと思ったが、そうではなく、前からないのだ。
どうやら、戦前、宝塚などを見習い、少女歌劇団や演劇場などをつくったり、四国でありながら、かなり先進的なことをしていたその反動のようだ。土地に手を出さないで、本業だけでがんばろうということだ。
バブル崩壊のときは、「土地に手を出してなくて、良かった」と思ったことだろう。それで、流通で失敗しては話にならない。
しかし、長期的視野で見た場合、宅地開発を怠ったことが現在の低迷状態を招いたのではないだろうか。発展する道路網に沿って宅地が開発されてしまい、鉄道沿線では開発されなかったのだ。東京近郊の私鉄だってかつてはかなりの田舎を走っていたが、着々と宅地開発や学校・企業誘致を行って来た結果が現在の状態なのだ。

パーク&ライド
なんとか乗客を増やそうと、パーク&ライドを始めた駅もある。

しかし、これも、十分な駅前の土地と管理する人員を貼り付ける必要が生じる。そのため、場所があっても乗降客数がもうひとつ伸びない駅では実現しない。そのまえに、琴電にはその駐車場を作る「土地」がないのだ。
長期的視野に立つと、鉄道と土地は切り離せない。