エリア戦略3 まとめ

駅ナカの開発ではない>
現在、JR東日本を始めとして、「駅ナカ」の開発が進んでいます。2000年に早稲田大学が産学協同で「ステーションフォーマット研究会」を行いました。この頃が、駅中開発の黎明期だったのではないでしょうか。ちょうど、上野駅がリニューアルされた頃です。このステーションフォーマット研究会の成果は、大宮駅に生かされていると思います。
http://www.waseda.jp/student/weekly/tokusyu/saizensen/sai911.html
しかし、「駅ナカ」開発は、まだまだ鉄道事業者からの視点で「眠っている商業資源を再開発した」程度の話です。上野もそうですが、周辺の街との連携は感じられません。アメ横から上野駅に入ると、異質な空間に来た様な感じがします。
<駅周辺と駅との統合>
このような大規模な開発でなく、生活者視点での地域密着型事業展開をやっていこうとすると、今まで以上に「地域展開」「地域密着」を重要視していく必要があります。中小駅での「駅と駅周辺の魅力作り」が課題になります。
古い沿線ほど再開発が遅れています。新しい地域ほどきれいな駅前、整った商店街、十分な駐車場、バス・タクシーなど自動車交通とのシームレスな連携が図れています。「ストックビジネス」と言う項目でもかきましたが、これからは、これまで「鉄道企業グループを支えてきた古い沿線地域」へ投資を集中させることが必要になることを多くの私鉄企業は感じ取っているようです。
願わくば、○○エリアというくくりではなく、さらにマクロな視点での再開発を望みます。「○○駅担当」という人が鉄道会社にいてもよいのではないでしょうか。
どうしても鉄道会社は、「物を作れば、人が移動する」と考えがちです。住みやすい街づくりが、何よりも大事で、そのためには一駅ごとに街づくりを考えていく必要があると思います。
生活者から見ると、鉄道会社だけのエゴではなく、地域連携がうまく図られば、そのメリットはかならず大きくなるので、是非、その点から要望を出して欲しいと思います。