小田急電鉄グループの虚偽記載のその後

dechidon2005-05-23

5月18日以降、ロマンスカーの地下鉄乗り入れ発表と共に虚偽記載で話題を振りまいてきた小田急電鉄ですが、役員の異動が先日発表されました。例年ですと、部長級の異動も同時に発表されるのですが、さすがに微調整が出るのか、公表されませんでした。
一方、発表された役員の異動ですが、本来、このような事態を起こさないようにするべき法務・コンプライアンス室の室長が昇格(上席執行役員→取締役)していたり、誰も役員で責任を取っているように見えないところが疑問です。「処罰が不徹底」に感じられます。詳細、調査中というのならまだしも、11月時点で社長の指示により、虚偽記載を解消、その後、その事実を公表しないままきたことの責任は何処にあるのか?どこかの会社のように「体質」と言われ始める前に、手を打たないと悪いイメージを残してしまいます。虚偽記載の株数も少なく、上場廃止や指定替えを防ぐためのものではなかった、すなわち「悪いことはしてたけど、むちゃくちゃ悪いことをしたわけではない。意識してやったのではない」ので、黙っていたということでしょうか。
最近はコンプライアンスの観点から、ちょっとしたことでも積極的に公表する企業が増えてきました。個人情報で言えば、「管理不行き届きで○人分(一桁)の情報の行方不がわからない、おそらく、誤って廃棄した」と言う程度で公表するようになってきました。すばやい発表が企業価値を落とさない方法であることと知っているからでしょう。今回の小田急の事件はその反対を行くのではないでしょうか。「問題があることがわかった時期がまずい。このままでは、西武と同列に捉えられる。だから、もう少し、公表は遅らせよう、ぎりぎりまで遅らせよう」として、ここまで引っ張った・・・そんな感じです。
利光会長、松田社長も就任二年、箱根戦略や百貨店の再編などを打ち出し、成果を得つつある、これからというところ。今、退くのは経営的にはマイナスになるに違いない。どのような形で決着をつけるのだろうか。

どんな形で決着をつけるにせよ、一生懸命やっている現業にとっては、大変迷惑な話だ。