JR西日本のダイヤ改正を国土交通省が指導

国土交通省は、2005年5月23日、JR西日本に対して、来年3月をめどに、管内全ての路線ダイヤを再編成するように指導することを決めたらしい。(2005年5月24日朝日新聞朝刊)
これは、駅の停車時間や減便、制限速度を下げるなどで余裕時分を創出するようにさせることが目的で、最高速度は変えない。
妥当な処置だと思うが、この影響はそのまま線路のつながる全てのJRに波及する。関西のアーバンネットワークが再編の中心になると思われるが、隣接する路線での影響は避けられない。さらには、JR各社も今後、国土交通省から指摘が来ることを警戒し、余裕時分の少ない部分のあるダイヤは見直すに違いない。実際、あまり時間通りに走っているとは思えない中央線(複数種別の電車が走っているなど理由は複雑だが)や東海道線の一部では、到達時間をこれまでより遅くすることが考えられる。と同時に、減便も避けられまい。そのイメージダウンは安全面の評価をもっても、埋められないのではないか?
ダイヤは、鉄道会社にとって最大の商品であり、複雑な要素を組み合わせて条件が設定されるため、主に政治的な理由(住民の要望)で、「停車駅を増やしてくれ」など程度を要請する以外には外部からは「注文を付けられない」ものだった(※1静岡県がのぞみを静岡駅に止めさせようとして、JR東海にダイヤそのものを提言したことがあるが、一顧だにされなかったという事例もある)。それが今回、指導という形で国から文句が付いた。従わざるを得ない。安全を確保しなかったツケとはいえ、鉄道会社にひとつの前例を作ってしまったことは間違いない。
本数が減れば、混雑も考えられる。時差通勤などの対策強化も改めて提言されるだろう。

※1http://www.pref.shizuoka.jp/kikaku/b_talk/talk11_traffic/index.htm