小田急電鉄グループの虚偽記載のその後2

前回、予測した通り、トップ層の引責辞任に発展した。
http://d.hatena.ne.jp/dechidon/20050523
情けない。余りに甘い経営判断だ。
この二年間に、百貨店再編や小田急箱根HD発足、グループ統合カードの発行などグループ事業の強化に取り組み、沿線に特化し、総合力で勝負できる体制を徐々に整えてきたところだけに、痛いだろう。報道によれば、監査役は公表を進言したと言う。しかし、それは退けられた。社外監査役への相談も「公表を恐れて」やらなったという。大須賀新社長は、どこまで経営を変えられるだろうか。

この後、普通に対処するならば、社外取締役の登用などの手が打たれることと思う。先に発表された異動は、ゼロベースで見直されるだろう。現場の混乱を避けるため、部長級以下で今回の件に関与しない社員の異動は凍結されるかもしれない。新しい経営陣は、取引先、顧客、そして現場への説明行脚からスタートするだろう。そのお客さまを裏切ったのだ。
この土日に箱根に行った。相変わらず多くのお客さまでにぎわっていた。箱根に観光に来るお客さまの2割以上は小田急線で来ると言う。新幹線やJRなどを利用して、小田原・湯本まで来て、登山鉄道やロープウェイ、観光船を利用するお客さままで入れると、かなりの観光者が小田急箱根HDの施設を利用するはずだ。
今回、富士山は拝めなかったが、芦ノ湖も山々も初夏を迎える緑に映え、きれいだった。西武、小田急と続いた不祥事の遠因の一部が、この箱根にもあるかと思うと、やりきれない。
小田急利光会長と西武堤会長が握手をして実現した、箱根の交通網再生の手が消えていかないことだけを当面、祈ります。