小田急改善報告書を見て考える2

<グループシンクの恐ろしさ>
「グループシンク」に陥ってしまうことの恐ろしさを感じます。
組織の中、同じメンバーだけで話し合っていると、道理にはかなわないような誤った意思決定をしてしまうことがあります。これをグループシンク(Groupthink)と言います。グループシンクは「集団浅慮」と訳されるようです。
今回の事件を見ても、閉鎖的な役員集団、それも序列の明確な集団のなかで、意思決定が行われ、企業倫理に適わない行動を起こしてしまったのです。制度的には、監査役が歯止めになるべきですが、所詮はその会社の出身者で序列の中に組み込まれている以上、「苦言を呈する」ことはできても、歯止めにはならなかった。法務担当の執行役員ですら、何の抵抗要因にもならなかった。
過去には、戦前の日本の軍隊のような組織でもあったことですし、特定宗教のなかでも起こってきたことではないでしょうか。
翻って考えてみて、私達の組織でもそういうことがあるように思います。よくお客さまから「うちの業界は特殊だから」という言い方をされることがあります。客観的に見て、そんなに特別でもないのにそういう意識を持っているところは、既にグループシンクの罠にはまりつつあるところであると思います。「特別」という裏には、「外の人にはわからないよ」「その辺の商品では、解決できる様な問題じゃない」「素人が口だすな」という意識が垣間見えます。結果として、広い視野で考えることができず、幼稚な過ちを犯してしまうのではないでしょうか。