小田急改善報告書を見て考える3

<制度でカバーしてはならない>
多くの不祥事は、制度や人事で改善されたように見えてしまいますが、変えなければいけないのは風土であって、制度ではありません。それは、同じような制度を持っていても、不祥事が起こる企業と宗でない企業が出ることでわかります。
交通企業は、元来、上意下達の風土が根強くあります。上の言うことには歯向かえません。現業を軽んじる傾向も多くの会社にあります。権限を現業に与えないことが非常に多い。本社にいる優秀な「引き上げられるエリート」ほど、現業経験がなかったりします。現業も研修期間は「お客さん」として扱う。仲間だとは思っていない。そういう本社社員は、現業を動かすときに「やらせる」「通達する」という言葉を使う。現業は、「いずれ、あの人も異動になる」と指示を「とりあえず、形だけやる」、場合によっては、「やり過ごす」こともある。
また、制度は風土の表れでもあります。組織体系が異様に「屋上屋を架す」ような企業があります。部署、それに伴う役職が大変多いということです。それは、「階層でしかものを語れない」風土の表れであったりします。